【ピグマリオンと自己成就予言(後編)】

頭が真っ白になった時、
唯一頼れるプレゼン技法、
ステージデライトのマスタートレーナーの神です。

先週は対照的な二つのグループに
プレゼンのトレーニングをしてきました。

ひとつは日経BP社が主催する
『日経課長塾』への登壇。

またひとつは、僕のクライアントの会社の従業員
(一般社員)の人たちに向けたプレゼン講座でした。

みなさんは、モチベーションがない人を
何とかしようと思った経験はありませんか?

かつて、アメリカである実験が行われました。

さほど学力が良いわけではない生徒がいました。
そのことを知らない先生を担任に据え、
その先生にはこう伝えました。
「あなたの生徒は、好奇心旺盛です。
さまざまな知的刺激をあたえないと、
集中して授業を受けてくれません。
とても優秀な生徒たちなので、頼みますよ!」

先生は、そのことを了解して、
生徒にさまざまな刺激を与え、
優秀さが損なわれないようにしました。

学期末…

 

おどろくような成績の向上が見られたそうです。

 

私たちが相手をどのように見立てて、
それを信じて関わることで、
見立てた条件と同じ結果に到達する。

これがピグマリオン効果と呼ばれるものです。

もちろん、再現性の観点から、
反論も提示されているそうです。
近年、これを主張したローゼンタール博士の研究は
因果関係が立証されていないとされていますが、
僕個人の実感としては、
相手に自分が思っていること、つまり
『あなたは可能性のある存在だ』と伝えることで、
振る舞いに前向きさが生まれることは
経験的にある、と思っています。

 

みなさんは、どう思われますか?

 

僕は参加者を、可能性のある存在だと認めていますが、
それを価値ある結果に結びつけるためには、
本人にも、ある種の気持ちを持ってもらう必要があります。

見立てた方向と同じ考え方です。

 

“もし人が状況を真実だと決めれば、
その状況は結果においても真実である。“

アメリカ社会学会のかつての巨人、
W・I・トーマス博士はこう言いました。

自分自身のことをどう思っているか、で
その人の結果は決まってくる。

自分のことをダメだ、と思っていれば、
結果がどのようなものであっても、
その枠を超えた評価をすることはできない。

これは、『引き寄せ』という
スピリチュアルな解釈ではありません。

成功を信じると、成功する。といった類いのものです。

そうではなく、自分が信じていることに合わせて
自分自身の置かれた状況を判断する、という意味です。

これを『自己成就予言』と呼びます。

ですから、ワークショップにおいても、
「私が上手くなるはずがない」という考え方をもって
やってくる参加者たちがとても多い中、
どのようにして、参加者に「可能性がある存在」として
自分を位置づけてもらえるか、がとても大事になるのです。

5年前僕がDVDの翻訳と監修をてがけた、
世界で最も古いNLPの団体
NLPコンプリヘンシブの考え方に
とても価値のあるものがあります。

“どんなものでも、チャンクを小さくすれば、
解決可能になる。“というものです。

チャンクとは、情報を一度に捉える量をさします。

こういう言い換えができます。

一見解決不可能に見える問題も、
適切な数に分類して、整理すると、
解決可能な部分と、解決するために
克服する必要のある部分にわかれる。

問題を課題に変える、時に使える考え方です。

プレゼンが上手くできない、と考えている人は、
いつも、
どこでも、
すべての面で、
プレゼンが上手くいかないのではなく、

その人が、結果がほしい、
失敗したくない。
そう思っている時に、
上手くやりたい場面で、
自分の望ましい結果につながる行動が
とれなかった、
ということなのです。

だから、何が本当に必要な振る舞いで、
どの場面で特に、それを上手くやれればいいのか、

それを明確に整理していくことで、
課題に変えることができます。

そして
いつも、
どこでも、
すべての面で、
という思い込みが崩れると、
そこには一抹の希望の光が差し込みます。

ほんの小さな光でいい。

それがあることで、
これからすることに期待が持てるようになるのです。

そうすると、ワークショップの中での自分にも
望ましい結果が得られるかもしれないという状況を
信じることができるのです。

どんな小さなことでも良い。

その人が絶対に無理、と思うことを
そうじゃないんだ!と知ってもらうことです。

みなさん、
あなたは今置かれた環境において、
ご自分の可能性を信じてみませんか?

今日もあなたの伝える、プレゼンが、
あなただけでなく、周囲の人にも
建設的な経験をもたらしますように。

そして覚えておいてください。
一時的な評価がどうであれ、
未来の自分にとって価値のある
成長の経験のひとつであることを。

では!
行ってらっしゃい。

【ステージデライト・マスタートレーナー神崇仁のワークショップ】

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神崇仁
新しい話し方変革メソッド ステージデライト開発者
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