【人前で意識がなくなるあの女性が泣いた夜…その3】

おはようございます。

ステージデライト・マスタートレーナーの神です。

先日僕の仲間の一人、
ステージデライト・認定トレーナーの
木瀬武彰くんが、九州は熊本で
プレゼンのワークショップを
開催しました。

20人近くの人たちが、参加したとのこと。

技術で構成されたプレゼンの体験を
きっと初めての経験でしょう。
それを楽しみながら学んでくれたそう。

こういう形で仲間が増えるのは、
とても嬉しいことです。

 

「やっぱりダメ、苦しい…」

熊本で楽しいプレゼンが行われていた同じ日、
東京では、Mさんが意識を失いそうになりながら、
プレゼンと奮闘していました。

 

「やっぱり、話せない…ムリです。」

 

彼女がこう教えてくれたとき、
僕は確信しました。

「あ、彼女は変わる」と。

僕には
彼女の内側の何かが今、
表に出ようとしている、
そう見えました。

表に出ようとしているもの、
それは多分、本質的な存在で、
今まで彼女がなかったことにしてきたもの。
隠れてきた彼女と言えるでしょう。

今、出ようとして、
そして今までの彼女がそれを止めている。
今までの(旧い彼女)と
隠れてきた(新しい)存在

コーチングの世界ではよくあることです。

いわゆる
したいのに、できない(しない)。
という状態。

僕がその状態に関わるとき、2つのことを重視します。

1.外部からの(新しい)アドバイスをしない。
2.その人のすでにある(旧い)、
最も辛い部分(症状)を使う
です。

1はしないことなので、簡単です。
僕自身が自分を律すればいいだけ。

そして2は、ちょっと戦略を立てました。

それが僕にとっての秘策でした。

3つの関わりを組み合わせます。

①【NOセット】で反応を引き出し、
②【例外パターン】で機体を作る
そして、
③【失敗を意識的にする】ことで、
自動的な反応を壊すという戦略でした。

 

『したくない』という反応を利用する、
【”NO”セット】というやり方は、こういうことです。

「やっぱりダメ、苦しい…」

そう言ったときの彼女は、
その割には堂々としていました。

うずくまったり、頭を抱えたりするのではなく、
こちらの方を向いてはっきりと、そう言いました。

つまり彼女の意識はNO,
でも体はYesのサインが出ているのです。

彼女の人生の経験談からも明らかなように、
彼女は何かを強制的されることが嫌いです。

なので、嫌がることを強制せず、
彼女の意識がしたいことを強制するのです。

簡単にいうと、優しくせず、ツンデレ作戦です。

「もう、無理。帰りたい。」

そう言葉にするのを待って、

「どうぞ、無理しないで。
今はまだ、頑張りすぎる必要はありません。」

「辛いなら、帰っても良いですよ。」

「Mさん、あなたが何十年も
大事に持ってきたものです。
今日1日で何かを大きく『変える』
なんて考える必要はありませんし、
今日のところは、すぐに『できる』とか、
『話せる自分』を味わうのは、
早すぎるんじゃありません?」

そして、そのまま放置…

別の参加者をコーチし始めました。

すると、すぐに体が一歩前に出て、
意識が、「帰りたくありません!」

と僕の提案にNOを返してくれました。

 

第一段階突破。
なので、次なるプロセスを始めました。

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みんな味方だとわかっているのに、
恥ずかしい気もちが出て
声を表に出すことができない。
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最初のメールで彼女はそう教えてくれました。

味方、ではダメなんです。

『…では、仲間、か友達ならどうだろう。』

僕はそう考えました。

たまたま、別の参加者…Kさんという女性は、
NLPトレーナーです。

人前で話して、変化を起こすのが仕事。

だけど、ちょっとした悩みがありました。

 

『上から目線』と言われる。

 

それが彼女の悩みでした。

彼女に前に出てもらい、実演を見ました。

まさに上から目線でした。

優しい声…
柔らかな物腰…

なのに、目線だけ、『上から』
つまり、聴衆と視線を合わせるときに、
視線を上から下ろして、超姑を合わせる。

ちょっとしたお澄ましさんに見えます。

なので、目線を下から聴衆に合わせること、
そして友達言葉で話すようにコーチしました。

そうすると、大きな変化が。

「言葉じゃないんだ…」

Kさん自身も驚きの変化です。

そのとき、あれほど帰りたがっていた
彼女が手をあげて、こう叫びました。

「私もやりたい!」
「話したい!」

なので、同じように伝えました。

「友達に話すようにしてごらん。」

彼女が上手くできないこと=プレゼン
まだ何とか、『うまくやれている場面』
を見つけて、そんな雰囲気で
プレゼンをしてみるんです。

彼女は文章は書ける。
でも話せない。
たとえ味方でもできない。
もちろん家族なんて絶対に無理でしょう。

だとすると彼女が何とかできる可能性があるのは、
仲間か友達との会話ぐらいでしょう。

彼女は楽しそうに話し出しました。

原稿ではなく、
聴衆一人ひとりを見て。

なので、さらにプラスしました。

「Mさん、今、気絶して見て!」

それは彼女が最も辛い部分と感じていた
『意識を失う』ことを意識的に活用する
という作戦でした。

「大丈夫、気を失ったまま、話せるよ。」
「意識を今、無くして話してみよう。」

そう遊び心満載で畳み掛けたら、

「先生、意識失うなんて、今ここで
できるわけないじゃないですか!」

彼女は意識を失うか、失わないかを
選択したのです。

そして、意識的に自分の話を思いつくまま、
話しました。

楽しそうに、

「ワクワクする!」
そう自分の気持ちを言葉にしながら…

トレーナー仲間もおもわず涙…

彼女は最後にこう教えてくれました。

『しあわせです。』

もちろん仕事にすぐに
復帰するわけじゃないでしょう。

すぐに話し上手になるかどうかも
わかりません。

でも、彼女はできないと信じてきたことが
意外と簡単に、(2時間で)できることに
気が付いた。

僕たちのアドバイスなしで、

NOという。
友達に話しかけるように話す。

そして気を失うか、意識的にいるかを選択する、
というたった3つを使って、

全て彼女の能力を使って、
彼女は自分で変化を起こした。

彼女、すごいと思いません?

僕は感動しました。

その日の夜。
カスタマーにメールが入りました。

Mさんからでした。

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すごくよかったです。
今まで、話は苦手!と思っていたのが、
人のレッスンを見ていたら、わくわくしてきて、
これって楽しいんだ!ということが理解できました。

うれしかったです。
自分の思いも自分の中だけでとどめていましたが、
たくさんの人に伝えることができそうだ、と
新しい希望をもつことができました。

新しい自分を見つけました。

 

ありがとうございました。
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こう書かれていました。

 

変化の種は、
そこにも、
ここにもある。

今ここにも。

あとはあなたが選択するだけ。

いつやるの?…笑

こんな長文をお読みいただいて、
本当にありがたいです。

今日もあなたの伝える、プレゼンが
あなただけでなく、周りの人にも
価値のある経験をもたらしますように。

そしてそれがどんなものであっても、
未来のあなたから見たとき、
あなたを作った経験の重要な一つなのだから。

では
いってらっしゃい!

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神崇仁
新しい話し方変革メソッド ステージデライト開発者
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